プレゼンは、多かれ少なかれ誰しもが緊張するものです。
緊張のあまり頭が真っ白になってしまった、言葉に詰まってうまく話せなかったという経験のある方もいらっしゃるでしょう。
こういった失敗があると、次のプレゼンの機会にも影響してしまい、緊張の無限ループになってしまいます。プレゼンを緊張することなく成功させるには、この悪循環を断ち切る必要があります。
この記事では、緊張することなくプレゼンを成功させるコツや、緊張してしまったときの対処法などを解説します。
1|プレゼンで緊張するのは当たり前!
ビジネスシーンでのプレゼンで緊張してしまい、うまく話せない自分を責めてしまう人も多いでしょう。
しかし、多くの人の目が集まるプレゼンで緊張してしまうのは当たり前のことであり、極めて正常なことです。
緊張を「なくす」のではなく、うまくコントロールして「活かす」ようにすれば、落ち着いてプレゼンを進めることが可能です。
プレゼンで緊張してしまう方に共通する理由として「完璧なプレゼンを求めすぎる」というものが挙げられます。
完璧を求めるあまり過剰に構えてしまい、大きな緊張につながってしまうのです。
リラックスして自分の考えを相手に伝えるためにも、必ずしも100%を目指すのではなく、「絶対に伝えたい重要な部分」に注力してプレゼンを行うことも大切です。
2|プレゼンで緊張しないための準備のコツ4選

「プレゼンで緊張しないコツ」と聞くと、本番中のコツを思い浮かべる方が多いと思いますが、実は準備段階でできることもあります。少しでも緊張を軽減させるためのちょっとしたプレゼン準備のコツを4つ、紹介します。
①これだけは言う!というワードを用意しておく
プレゼンの前に「これだけは絶対に伝えたい」というワード・フレーズを用意しておきましょう。
緊張で何も言えなくなってしまった時、その場をどうにか切り抜けようと焦ってしまい、組み立てた構成を思い出せなくなってしまいます。
これを防ぐために、予め絶対に言うべきワードをパワーポイント資料などに盛り込んでおくことをオススメします。
例えば、「前年に比べ、売上が30%アップした」など、フレーズをメモや資料に残しておくと、それをもとに話を始めやすくなります。
様々なことを伝えたいという気持ちがあるかもしれませんが、聞き手側は結論が少ない方が分かりやすいと感じます。そのためにもスライドごとや章ごとに必ず伝えるポイントを一言で表しておきましょう。
②録画をして、確認する

自分がプレゼンしている様子を録画して、客観的に見てみることは緊張を回避するためにとても良い方法です。
「プレゼンをしている自分の姿っておかしくないかな?」と少しでも思ってしまうことが、緊張の大きな原因になるといわれています。
自分がプレゼンしている姿を客観的に見ると、思っていたより自然に振る舞えていることもあります。
それが自信につながり、プレゼンのときの緊張を緩和できるようになります。
もし録画して自分の姿を見たときに、次の見出しで紹介するような「クセ」が出ているようなら、緊張を少なくするために行動できるチャンスです。
③緊張した時に出やすいクセを把握しておく
プレゼンの聞き手は、話し手の緊張に敏感で、ちょっとした動作から「あ、この人は緊張しているな」と気がつきます。 そしてその雰囲気に話し手が気づいてしまうと、そこから負のスパイラルに陥ってしまい緊張はさらに加速してしまうでしょう。 負のスパイラルに陥らないためには「緊張すると出やすいクセ」を把握して、その仕草が出ないように心がけることが大切です。
例えば、先ほど紹介した「自分のプレゼンを録画して確認」したときに、こういった仕草はしていませんか? もし無意識でやってしまっているのであれば、できるだけ意識してこのような仕草をしないように心がけましょう。
そして堂々としているように見えるパフォーマンスを演じることが大切です。 無駄に動く必要はなく、どっしりと構えていれば余計な緊張を回避できます。
この仕草をうまくコントロールして、自分のクセを出さなければ、聞き手にこちらが緊張していることが伝わることはありません。そうすれば、心の中でいくら緊張していたとしても全く気にすることはないでしょう。
④原稿を丸暗記するのではなく、スライドを見て話せるようにする
緊張を減らすためにはたくさん練習をして原稿を丸暗記してしまえば良い、と誤解している方はいませんか?
しかしこれは間違っています。
原稿を丸暗記してしまうと、一つの箇所で引っかかってしまった時にその先が全て真っ白になってしまうリスクがあるからです。
そうならないためには、プレゼン内容を一語一句丸暗記するのではなく、要点を押さえ話せるようにすることが重要になります。
そうすれば、もし緊張して途中で止まったとしても、スライドを確認しながらその先をリカバリーすることができるでしょう。
3|プレゼンで緊張しないための本番中のコツ3選

緊張を少しでも減らすための準備のコツを見てきましたが、それでも緊張を全くなくすことはできません。 そこで、本番中に緊張してしまったときに、少しでも緊張を和らげる方法について3つ解説していきます。
①視線をコントロールする
プレゼン中は視線をコントロールするようにしましょう。 視線が泳いでいると緊張していることが聞き手に伝わってしまったり、落ち着かずにソワソワしたりしてしまいます。 もし聞き手の目を見るのが怖いのであれば、会場の隅を見るなどのテクニックが有効です。 スライドや資料などに集中するのではなく、部屋をぐるっと見渡すように心がけると落ち着くことができます。
②あえて緊張していることをカミングアウトする
プレゼンで本題に入る前に「ちょっと緊張していますが」とカミングアウトしてしまうのは意外と効果的です。 「緊張している事実を自分から言うなんて……」と思うかもしれませんが、この一言を言うだけで、思っている以上にリラックスして話せるようになります。
③うまくやろうとせず、ありのままの自分で挑む
緊張しすぎてしまう大きな理由に「自分の実力以上にうまくやろうと思ってしまうこと」があります。
しかしプレゼンで大切なのは、うまく話すことよりも自分が伝えたいと思っていることを正確に伝えることです。
人は実力以上の力を発揮することはできません。
うまくやろうと力まずに、ありのままの自分で挑むようにしましょう。
開き直ってしまえば、かえってスムーズにプレゼンすることができます。

4|プレゼン時の緊張が起こした失敗談&対策方法
最後に、プレゼンのときに緊張しすぎてしまったがために起こりがちな失敗談とその対策についても確認していきます。
①声が震える、早口になる……
「早いうちからプレゼン資料を作り、しっかりと対策してきたつもりでしたが、いざ人前に立つと声が震えてしまい、汗もどんどんかいてしまって……
結局、プレゼン後、上司には「早口過ぎてあまり聞き取れなかったよ」とのフィードバックをもらってがっかりしてしまいました。」
(30代 男性)
プレゼン時に声が震えてしまう、早口になってしまうというのはよく聞く失敗談です。
不安で声が震えてしまうのは、緊張のせいもありますが、声を出す準備ができていなかった場合に多いです。
対策として、本番前に誰かと話したり、電話をしたりして声を予め出しておくと声の震えは軽減されるでしょう。
早口になってしまうのも、「早く終わらせたい!」という気持ちが出てしまっている証拠です。普段よりもゆっくり話すことを心がけ、早口になっているな、と気づいたら一呼吸おいてみましょう。
数秒話が止まったとしても、聞き手はあまり気になりません。早口で喋り続けてしまう方が聞く方も疲れてしまいますので、一旦話を止めて、目線を変えてみるのも手です。
②しっかり作ったパワポが、投影したら見えなかった……
「しっかりと練習もして、かなりの力作のパワポ資料でプレゼンに臨みました。しかし、実際にプロジェクターに映してみると色がかなり薄く、なかなか見えないことが発覚。
急いで作り直したのですが、焦ってしまったため、ミスの多いプレゼンになってしまいました。」
(20代 男性)
パソコンのモニターとスクリーンで投影された色味は、全く違ってしまう可能性があります。予め会場で確認ができる場合はスクリーンに投影して見え方をチェックしておくことが重要です。また、スクリーンに投影することが決まっている場合は、スライドの背景を濃い色に設定して資料を作るようにすると、こういった失敗も回避できます。
スクリーンの色や会場の照明によっても映り方は変わってしまうため、注意が必要です。
③資料作成に時間がかかり、話す練習があまりできなかった……
「見やすくて綺麗なスライドを作ろうと思うがあまり、スライド作成に時間がかかりすぎて肝心のプレゼンを練習する時間がなかったため、ほとんどぶっつけ本番状態に。伝えたいことの半分も伝え切れずにプレゼンを終えてしまいました。」
(20代 女性)
こんな失敗もプレゼンでよくあることです。
練習時間をしっかりと確保するためには、資料作りのコツを把握してスピーディに作成できるようになることが大切です。
試行錯誤するのではなく、コツを押さえてササっと資料を作成することができれば、空いた時間を練習に費やすことができます。
プレゼン資料を作るコツはこちら 「伝わるプレゼンスライドデザインのコツ5選」
緊張を味方にしてプレゼンを成功に導こう
大勢の人前で堂々と話すことが得意という方は少数派なはずです。
プレゼンで緊張するのは当たり前、と認め、今回ご紹介した緊張しないためのコツを試してみてください。
聞き手は敵ではありません。自分が聞き手に回った時に、壇上の人を真っ先に敵だと思うことがないように、聞き手も「この人はどんな話をするのかな」「緊張しているのかな」と、むしろ興味をもって、精神的にも寄り添ってくれるはずです。
余裕を持ってスライドを作成し、しっかりと練習と準備をした上でておき、緊張を味方につけてプレゼンを成功させましょう。